特集

常盤台エリア特集 Tokiwadai Area Special

区内各エリアの魅力をお伝えするシリーズ。今回は、区の南部に位置し、豊島区、練馬区と隣接する「常盤台エリア」を特集します。

-目次-

《五本けやき》川越街道の往来を見守り続けて“Gohon Keyaki”(Five zelkova trees)

東武東上線・上板橋駅南口から商店街を通り抜け、川越街道に突き当たった場所にある五本の立派なケヤキ。

川越街道・上板橋のランドマーク「五本けやき」です。
航空写真で見るとまるで小さな森のよう。川越街道がここだけ中央分離帯を広げて、上り車線がやや大回りしているのが分かります。
関東大震災後の江戸東京復興計画の中で、昭和初期に行われた川越街道の拡幅と直線化に当たり、当時の上板橋村村長であった飯島彌十郎(いいじま・やじゅうろう)が、屋敷林の一部のけやきを残すことを条件に自宅の土地を提供しました。
郷土を愛する飯島彌十郎の想いは受け継がれ、その後寿命を迎えた木に代えて新たに若木を移植するなど、地元有志らが“五本の”けやきを守り続け、この歴史あるランドマークは今日も街道を行き交う人々を見守っています。(区指定「景観重要樹木」)
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五本けやき

所在地:板橋区上板橋1丁目19

《教育科学館》気軽に楽しめる科学のテーマパークItabashi Science&Education hall

上板橋駅北口からほんの少し歩けば見えてくるこのモダンな建物。区立教育科学館は科学で遊べるテーマパーク。
館内には科学に関する体験型の常設展示のほか、プラネタリウム、テーマごとの企画展やワークショップ、イベントなど楽しみいっぱい!

しかも工作教室やプラネタリウムなどを除き施設利用は無料です(詳しくはホームページ参照またはお問合わせください)。
地下の科学展示室にはゲームセンターのようなワクワク感が満載!

遊びながら科学のふしぎを発見できるアトラクションが20個以上も。
プラネタリウムは毎日2回、週末や学校の休み期間は5回投影しており、コンサートとのコラボレーションなど特別なプログラム以外は高校生まで120円(2歳まで無料)、大人が350円と格安で観覧できます。

光学のまち板橋のプラネタリウムですから、投影機にも星空の美しい輝きが自慢の「光学式」を採用しています。

光学のまちならではの貴重な展示も多数。
教育科学館には、地質、天文、物理学、生物、教育学など各分野の専門家が多数在籍し、日々研究を重ねながらより興味深い展示を目指しています。

館主催イベントの概要やプラネタリウムの投影スケジュール、教育科学館のトピックが満載の「教育科学館ニュース(季刊)」をぜひご覧ください。

館で過ごす時間がもっと楽しくなりますよ。

「教育科学館ニュース」詳細はこちら

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教育科学館

所在地:板橋区常盤台4丁目14-1
開館時間:9時~ 16時30分(板橋区内公立小中学校夏休み期間は9時~ 17時)
休館日:月曜日(祝日にあたる場合はその翌日)、年末年始(12月29日から1月3日)※その他臨時休館日有
電話番号:03-3559-6561
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《日本書道美術館》書道大学を併設する日本唯一の書道専門美術館Japan Calligraphy Museum

瀟洒な住宅街に囲まれ、文化の薫り高いときわ台駅北口に日本書道美術館はあります。

第二次世界大戦後、書道が日本の学校教育から排除されていた時期を経て、書の伝統を途絶えさせてはならないと設立された日本教育書道連盟を母体とし、後に初代館長となった小山天舟が中心となり各方面からの寄付や支援によって創立されました。

近代・現代の代表的な書家の素晴らしい書道作品などを中心に、古くは平安にさかのぼる約5,000点の名品を所蔵、展示し、上皇上皇后両陛下も幾度も来館されるなど専門美術館として無二の存在となっています。


さらに、この美術館を特別な存在にしているのが書道の正しい継承のための教育にも力を注いでいること。

書道技術の継承、文化の発展を目的に「特別講座・書道大学」を開講し、一流講師陣による大学2年、大学院2年、専攻科2年の講座を展開しています。
入学対象は書道教室の先生や書道教育機関の講師のほか、入学考査試験で一定以上の技能を認められれば、一般の方でも入学が可能です。

毎月一回、午前・午後を通して第一線の講師による密度の濃い授業を行っており、現在は約100名ほどが全国から受講しており、専攻科には入学20年になる生徒さんも。
授業は午前9時30分から昼までが書道史や論語、漢詩など書道についての学問的な理解を深める講座、昼を挟んで午後4時までが理論の解説と実技と、みっちりと書道漬けの一日です。

書家の吉澤鐵之先生による朱入れ、添削を食い入るように見つめています

筆で書くことはおろか、ペンを持つ機会も少なくなっている時代に、手で書くこと、伝えること、表現することの素晴らしさを伝え続けています。
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日本書道美術館

所在地:板橋区常盤台1丁目3-1
営業時間:10時30分 ~ 16時30分
入館料:1,000円
定休日:月曜、火曜
電話番号:03-3965-2611
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《書道教室 遊雲》子どもから大人まで、書く楽しみを伝えるCalligraphy School “Yuun”

ときわ台駅北口から歩くこと数分、ちょうど常盤台住宅地プロムナードの始点に「書道教室 遊雲」はあります。

教室を主宰するのは書家で日本教育書道藝術院師範の伊倉璃杏さん。
児童、小中学生から大人まで、少人数での教室で一人ひとりのペースを大切に指導しています。

この日は幼稚園の年中さんから中学2年生までのクラス。

大人クラス以外では硬筆の実習も行っており、日常や学業でもすぐに練習の成果を活かすことができます。
先生の指導はまず第一に、生徒がより上手く書きたいポイント、直したいポイントを見つけ出す手伝いをすること。いわゆる赤入れではなく、自ら気付いて自ら修正できる力を身に着けるよう、具体的なアドバイスを添えて導いてゆきます。

毎週の教室で書いた中から残したい作品を選び、翌週はそれを超えるものを作ることで着実に文字がレベルアップしてゆきます。
さらに作品はスマホでも記録しており、自分の進歩が一目瞭然、親御さんとのコミュニケーションにも活用でき、家庭を含めた日々の学習にも役立っています。

「上手くなる喜びを感じられることが上達への近道」と話す先生ならではのユニークな指導法で、大人から子どもまで、自分の字を変えたい!字がキレイになりたい!と願う人たちに字を書く楽しみを伝えています。
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書道教室 遊雲

所在地:板橋区常盤台1丁目-26-13
※教室見学などお問い合わせは下記サイトをご覧ください
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《クルドサック》曲線のまち、常盤台住宅街の象徴“Cul-De-Sac”

ときわ台駅北口に広がり「城北の田園調布」とも呼ばれる常盤台住宅。

鉄道操車場用地として準備されていた広大な土地が、計画の変更により一転、郊外住宅地として開発されることに。

1935年(昭和10年)のときわ台駅(当時は武蔵常盤台駅)開業と一体化した住宅街開発であったため、自由度の高い新規での街づくり計画が可能でした。

2018年、開業当時のレトロデザインに生まれ変わったときわ台駅北口駅舎



「常盤台住宅街」は、当時、東京の都市計画を直轄していた内務省と東武鉄道が官民一体となって設計にあたり、欧米の都市計画関係の書籍、雑誌などを参考にデザインに取り組みました。

やがて完成した設計図は、現在のときわ台駅から放射状に主要道路が延びるユニークなもの。駅改札の目の前に現れる大きなロータリーには交番、公衆トイレ、噴水などと共にケヤキやイチョウの大木があり、ちょっとした公園のよう。

「ときわ台お散歩マップ」より 作成:常盤台の景観を守る会

「ときわ台お散歩マップ」詳細はこちら



住宅街の中には大きな円を描くプロムナードも通っており、直線、サイの目の街路がもたらす合理性や効率性よりも、曲線による優美で穏やかな雰囲気で街づくりをする先進事例の一つとなりました。



そんな“曲線のまち”を構成する要素に「クルドサック」があります。

フランス語で袋小路(cul-de-sac)を意味し、いわゆるラウンドアバウトやロータリー交差点とは異なり、車の通り抜け、方向転換ができません。

基本的に住民と公共サービス等の車のみ通行するため、安全と静かな環境とが得られます。またクルドサックには「フットパス」と呼ばれる人がやっとすれ違う程度の小路が通じていることが多く、人の通行の利便性や緊急時の安全確保なども考慮されています。

こうして作られた常盤台住宅街にはその美しい街並みを守るための景観ガイドラインが定められており、クルドサックやプロムナードによる“曲線のまち”はいまも昭和モダンの面影が残る、人に優しく、穏やかに落ち着いて散歩の楽しめる街になっています。

《魚菜酒房 樽見》確かな技術で紡がれる日本料理の正統Fish & Vegetable Sake Shop “Tarumi”

ミシュランガイド東京の日本料理カテゴリーでビブグルマンにも選ばれた押しも押されもせぬ和食居酒屋の繁盛店。その歴史は小竹向原駅の開業が計画された40年以上前にさかのぼります。

当時、常盤台で豆腐店を営んでいた大将の父君が、地下鉄開通できっと賑わうはずと現在の土地を購入。落ち着いた住宅街ながら地下鉄2路線と西武線が利用できる便利な小竹向原駅から徒歩で、あるいは近郊からタクシーで、今やその味と雰囲気を求めて連日多くの客が訪れます。

大将自慢の刺身盛り合わせと女将の郷里の名物 伊勢うどんが店の2大人気メニュー



いつも元気で朗らかなキャラクターで常連客に愛される大将は、京都の料亭で6年、東京でも数軒の割烹で修行を重ねた凄腕の料理人。もともと大の刺身好きな大将が厳選した海鮮はどれも新鮮で身の味わいがしっかりしたものばかり。その確かな仕入れは目利きに加えて長年にわたり培ってきた問屋との信頼関係によるもの。
また、季節ごとに旬の野菜で楽しませる「おひたし」は質量ともに奢った鰹節による旨みたっぷりの出汁に加えて追い鰹の風味がたまらない逸品。 春にはわらびや筍なども加わってこれだけで贅沢なご馳走です。
連日の満席、予約が殺到する秘訣は至極まっとうな料理を板橋価格でいただけることに加えて、その接客にもあり。

明るく元気な大将を筆頭に、ホール担当の従業員さんたちもみな気持ちの良い対応。勤めている従業員さんの紹介で新しい方が入るケースが多く、人に恵まれていることが店の財産だと女将さんは感謝を口にします。
現在お店は修行先の関西から帰って来た息子さんも厨房に立ち、さらに調理補助にホールにと大活躍の娘さん、大将夫妻と、家族4人が全員でお店を支えています。

このアットホームな一体感、安心感こそが樽見さんの一番の魅力かもしれません。
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魚菜酒房 樽見

所在地:板橋区小茂根1丁目10-17
営業時間:17時 ~ 22時30分 L.O. 22時
定休日:日曜・月曜
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《海老山 竹山魚店》一級品のネタを揃えた海鮮丼で贅沢ランチをEbiyama Takeyama Uoten

写真の海鮮丼、まずはネタのラインアップをご覧いただきましょう。



・生本マグロ/高知産

・白えび/富山産

・生ホタテ/北海道産

・ホウボウ/銚子産

・生うに/北海道産

・生さばゴマだれ和え/三陸産

・紅鮭イクラ/北海道産

・とろサーモン/ノルウェー産

・赤貝ひも付き/三重県産



以上、全9種。「宝石箱や~!」と言うのはまさにこのことでしょう。

(その日の仕入れに合わせてネタは変わります)
創業75年、歴史ある鮮魚店の目利きと矜持で仕入れるのは全国の港で揚がったピカピカの魚介たち。
毎週水曜・日曜のランチ限定で販売される海鮮丼は、本マグロやウニ、イクラなど人気のネタはなるべく欠かさず、かつその時々で旬のもの、より美味しい魚を選び抜いた、一切の妥協のない本気のご馳走。
また、金曜・土曜の午後には「日替わり8貫」、「まぐろづくし6貫」の2種類の握りずしが用意され、こちらも海鮮丼に負けず人気メニュー。



その他、鹿児島産ブリのカマの味噌汁、宍道湖のしじみ汁や北海道のアサリ汁など魚介の香りと旨味たっぷりの自家製味噌汁もご用意しています。


☆海鮮丼の販売は水曜、日曜の11時から、限定30食

 大丼1,180円、ミニ丼790円、ご飯大盛りは+50円

 自家製味噌汁は150円



☆握り寿司の販売は金曜、土曜の12時から18時

 まぐろづくし6貫980円、日替わり寿司8貫1,380円

 (上記すべて税込み)



※海鮮丼は数量限定のためお昼前に売切れることも。ご希望の方はぜひ電話予約を。
Information

海老山 竹山魚店

所在地:板橋区南常盤台1丁目15-12
営業時間:10時 ~ 18時
定休日:木曜、祝日
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文・写真=小笠原 努

※記事でご紹介しているメニューや料金などは取材時のものです。詳細は各店のホームページ等でご確認ください。
赤塚エリア特集は

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次回の特集は

「赤塚」「板橋」「志村」「高島平」「常盤台」(50音順)の区内5エリアから、毎回一つのエリアにフォーカスしてその魅力をご紹介する「エリア特集」。
次回はいよいよ高島平エリアの登場です。お楽しみに。